担当: 西阪 仰 E-mail: augnish(α)soc.meijigakuin.ac.jp
演習1では,おもに,会話分析のこれまでの知見をふまえて,会話の構造を捉えるための訓練を行なってきた.演習2では、こんどは,それを自分の研究につなげることわ試みる.すなわち,実際にデータを自分で集め,そこから論じるべき「現象」を探し出し、そのコレクションを作り,分析し,そして最終的に論文を仕上げていくことを目指す.
春学期は、いわゆる「エスノメソドロジー」に方向づけられた相互行為分析の基本的な構えにもとづき、いわゆる「会話分析(Conversation Analysis)」のデータセッション(実際の会話データをみんなで詳細に分析するセッション)を行なう。それにより、分析の技術を磨くことを目指す。また、春学期のうちにデータの収集を開始する。
夏休み中に、履修者は、自分が焦点を定める現象のコレクションを作成する。これを夏季合宿に持ち寄り、卒論・修論(その他論文)のテーマ・分析視角の絞込みを行なう。秋学期にかけて、卒論・修論等の具体的な執筆のための、コレクションの分析セッションへと移行していく。
以下のテーマについては、演習1のホームページを参照のこと。
1つの断片について、連鎖タイプにもとづく行為の組織を観察する。
1つの会話断片について、行為の記述の可能性について考える。会話参加者が行なっていることについて、最も形式的なレベルから出発し、記述を重ねていく練習。
修復の行なわれるている事例のコレクションから、複数の事例について語れること(類似、差異など、なんでも)を考える。
修復の行なわれるている事例のコレクションから、複数の事例について語れること(類似、差異など、なんでも)を考える。
発話の重なりを含む事例のコレクションから、複数の事例について語れること(類似、差異など、なんでも)を考える。
沈黙を含む事例のコレクションから、複数の事例について語れること(類似、差異など、なんでも)を考える。
1つの断片について非同意連鎖の開始から解決まで追う。
非同意を含む事例のコレクションから、複数の事例について語れること(類似、差異など、なんでも)を考える。
1つの会話断片における個々の発話が、どのようにして、先行の発話に結びつき、また後続の発話に結びつくかを観察する
9月10日(水) | ||
14:00〜14:15 | オリエンテーション | 日程の確認など |
14:15〜16:30 | コレクションの検討 | 各自10分ずつ発表+討論 |
17:00〜18:30 | 終了論文を読む | 質問リストに対する答を検討 |
18:30〜20:00 | 夕食 | 夕食後は風呂に入るなりくつろぐなり |
20:00〜21:30 | データセッション 1 | 1つのデータをみんなで分析しあう |
21:30〜22:30 | 個人作業 | 各自,全体会で与えられた課題に取り組む |
23:00ごろ〜 | 懇親会 | ほどほどに |
9月11日(木) | ||
8:00〜8:30 | 朝食 | 各自勝手に |
9:00〜12:00 | QA論文を読む | 質問リストに対する答を検討 |
12:00〜13:30 | 昼食 | 近隣の食堂で |
13:30〜15:30 | 個人作業 | 各自,全体会で与えられた課題に取り組む |
15:30〜18:30 | 個人作業の結果を発表 | 各自10分ずつ発表+討論 |
18:30〜20:00 | 夕食 | 夕食後は風呂に入るなりくつろぐなり |
20:00〜21:30 | データセッション 2 | 1つのデータをみんなで分析しあう |
21:30〜22:30 | 個人作業 | 各自,全体会で与えられた課題に取り組む |
23:00ごろ〜 | 懇親会 | 適当に集まり適当に終わる |
9月12日(金) | ||
8:00〜8:30 | 朝食 | 朝食後は個人作業の続き |
8:30〜10:00 | 個人作業 | 各自,全体会で与えられた課題に取り組む |
10:00 | 会議室に集合 | 荷物をまとめ鍵を持ってくる |
10:00〜12:00 | 総括 | 卒業研究の今後の展開について各自10分ずつ発表 |
受講生全員が、順番に自分のコレクションを持ち寄り、それについてデータセッション(コレクション・ワーク)を行なう。
受講生は、データセッションの結果をすぐにまとめ、分析を整理すること。それをそのまま論文へとまとめていく。
時間があれば、各自に論文の最初の草稿をみんなの前で発表してもらう機会をもちたい。