2019年度「理論社会学a」
言語と行為
重要なお知らせ
- 1月26日
1月29日水曜日に期末試験を実施します.万一,(文学部履修要項において定義されている)「公欠」に該当する事由により試験が受けられない場合,翌週に追試を行ないますので,該当する方は必ず1月31日金曜日までにご連絡ください.その段階で日程の調整を行ないたいと思います.また,追試は,原則90点満点で成績評価を行ないます.
- 12月17日
年末年始を含む今学期の予:
・12月25日水曜日 通常通りの授業
・1月8日水曜日 休講
・1月15日水曜日は金曜日への振り替え
・1月22日水曜日 第二回読書課題(Clayman & Heritage)
・1月29日水曜日 期末試験
- 12月10日
第二回読書課題,当初予定より変更しました.テキストと課題をアップしました.
- 11月11日
すでに掲示したように,第一回読書課題の提出は,11月20日水曜日の授業開始時になります.お間違いのないよう,よろしくお願いします.この日は,英語課題はやらなくて大丈夫です.
- 9月25日
授業ホームページを立ち上げました.
担当 西阪 仰(研究室4階)
時間 水曜3限
教室 マルチメディア講義室
E-mail: augnish(at)chiba-u.jp
オフィスアワー 水曜5限
社会的相互行為研究のなかで,言語の使用をどう捉えることができるか,いろいろと考えてみたい.ゴッフマンは,言語の「本来の在り処」は,言語が必ずしも用いられない場所,すなわち相互行為である,と言った.また,サックスは,社会のなかに(無視してよい)「ゴミ」のようなものなどない,と言った.相互行為は一見混沌としている.しかし,わずかな沈黙,わずかな声の重なりなどのなかに様々な秩序を認めることができる.このことに気づくことは,いわば近代社会の根底にある人間観(能力は,個人の心もしくは神経系の内側で完結しているという考え)に対する挑戦でもある.その意味で,この授業は,近代社会を,言語とという窓から眺めなおす一つの試みでもある.
言語を,言語そのものとしてではなく,相互行為において使用される言語として捉えなおすことで,社会学が(最も典型的な社会的現象の一つである)言語にどうアプローチできるかを,具体的に示すこと,これがこの授業の目的である.文法という概念が,言語の内部構造にとどまらない,相互行為のうえに開かれたものであること,会話分析の手法により具体的に示していきたい.
読書課題(2回)
- 資料・課題は,このページを通じて日配布する(下の授業内容を参照).
- なお,すべての課題は提出用のほかに,必ず自分用のコピーをとっておこと.(不慮の事故で課題が担当者の手元に届かない場合もあります.そのさいは,そのコピーを提出していただきます.後日成績調査等で,自分用コピーの提出を求めることがあります.コピーもしくはファイルの提出が不可能な場合,成績変更も不可能になりますので,十分注意してください.また,授業でそのコピーを適宜参照しながら,発言してもらいますので,自分用コピーも授業に持ってくるようにしてください.)
- 課題は,みなさんにテキストもしくはデータと真摯に切り結んでいただくためのものである.授業で「答え合わせ」をするが,必ずしも,普通の意味での「正解」があるわけではない.成績評価にあたっては,あくまでも「真摯度」を評価する.
- 読書課題・分析課題は,定期試験日以降は,整理の都合上,一切受け取らない.1つでも未提出のものがあると単位を出すことができないので,十分注意すること.
- 「答え合わせ」以降の提出は,大幅な減点になるので注意すること.授業後から1週間以内の遅延は20パーセント、2週間以内の遅延は25パーセント、3週間内の遅延は30パーセント・・・(以下同様に率が上がる)の減点となる(下の注を参照のこと).以下,授業内容における「答え合わせ」予定日(提出予定日)は,現時点の予定で,実際には,1,2週間のずれが生じうる.実際の提出日を授業時によく確認すること.
試験
- 日時 1月29日授業時
- 教室 マルチメディア講義室(いつもと同じ)
- 出題範囲 学期中に授業で行なったことすべて.
- 出題形式 選択問題を中心に,訂正問題,穴埋め問題,簡単な記述問題を出題する予定.基本的な概念をよく理解しておくこと..
毎週10分英語
- 毎週10分英語のテキストは,ここからダウンロードすること.
John Heritage, Garfinkel & Ethnomethodology (Polity, 1984) という本の247-251
テキスト
- 番号が振られている箇所を毎週(読書課題・分析課題のある日は除く)順に読む.
- 訳文を毎週,出席票がわりに回収する.
- 未提出のものがあるからといって,すぐ落第にはならないが,未提出分は減点になる(遅れてもできるだけ提出するようにしてください.ただし,定期試験日以降は,整理の都合上,一切受け取らないので注意してください).
第1週
テーマ 1
授業のオリエンテーション。
第2週〜第3週
- 理想的話し手・聞き手
- 変形規則
- チョムスキーの取り逃がすもの: 非文法的文の文法性
テキスト
第4週〜第7週
- オースティンの言語行為という考え方
- サールの「言語行為論」: 間接的言語行為と表現可能性原理
- 言語形式と,相互行為における行為
テキスト
- オースティン『言語と行為』大修館書店または講談社学術文庫
- サール『言語行為論』勁草書房
第6週
テーマ
「オースティンを読む」
課題の「答え合わせ」
第8〜9週
- 非自然的意味
- 会話の格率
- 意味と文法
テキスト
- グライス『論理と会話』(勁草書房)第2章,第14章
第9週〜第13週
テーマ
相互行為のなかの文法
- 質問はどのように組み立てられるか
- 非文法的な文の文法的な構成
- 一つの順番になかで分散する文
テキスト
第14週
テーマ
質問への応答: Clayman & Heritage を読む
課題の「答え合わせ」
第15週 期末試験試験
- 出席の確認はしないが、出席は決定的に重要である。(もちろん,出席さえすればなんとかなるということもありえない。)
- 成績評価:定期試験50%+小レポート50%
- 定期試験と2回の読書課題のいずれか一つでも未受験未提出のものがあると成績を出すことができないので注意すること。
- 2回の読書課題は期日に遅れた場合、必ず減点をするので注意すること(とくに一週間以上遅れた場合、かなりの減点になることも要注意。なおレポートは、期末試験日(1月29日)以降は一切受け取れない)。
- オフィスアワーでは、授業・勉強に関するどんな質問でも受け付けるが、質問は、あらかじめ具体的に整理しておくこと。(授業・勉強と無関係な質問はお断りします。)上記時間に都合のつかない場合は、emailで面会の約束をすること。
- 重要なお知らせは,そのつど文学部の学務の掲示板(文学部棟1階)に掲示するので,必ず見るようにすること.