2022年度 大学院「社会的相互行為論(文化変動論)」「社会的行為論」
社会的相互行為の構造: 会話データの利用法
重要なお知らせ
- 2022年3月16日 その1(基本情報)
2022年度の前期授業は,オンライン会議システムを用いて行なう予定です.受講・参加を希望する方は,必ず4月9日までに,オンライン環境をできるだけ整えたうえで,担当者の下のメールアドレスに(オンラインでの参加が可能かどうかを含め)連絡をしてください.オンライン授業に必要なミーティングIDの情報等をお送りします.
授業開始日は,4月13日水曜日です.開始時間は,午後2時30分です.授業は2時間行なう予定ですので,4時30分までの時間帯を必ずあけておくようにしてください.
- 2022年3月16日 その2(事前課題等)
2022年度前期の第2週授業日(4月20日)までに,次の文献を読み,「状況」「場面」「身体表現」「関与シールド」「支配的関与と従属的関与」「主要関与と副次的関与」について,具体例を交えながら説明したペーパ(A4要旨1枚程度)を,授業開始時刻までに,担当者にメールで送付すること.
テキスト: E・ゴッフマン『集まりの構造』(誠心書房)15〜69ページ
あわせて,授業開始までにH・サックス他『会話分析基本論集』(世界思想社)の第一論文(順便交替論文)を,下のURLの質問リストに答えながら,できるだけ読み進めておいてください.(テキストは図書館にあります.また,図書館でeBookが,利用できると思います.)
「順番交替論文」質問リストサイト: http://www.augnishizaka.com/rd/turn_taking_2011.html
いずれE・A・シェグロフ「予備のための予備」(『会話分析の方法』世界思想社,第一論文)を読む可能性があります.ともあれ,重要な論文なので,これも時間のあるとき,下のURLの質問リストに答えながら読み進めておいてください.
「予備のための予備」質問リスト: www.augnishizaka.com/chiba/prepre_ql_grad.pdf
時間: 水曜日 14時30分から16時30分まで(2時間行ないますので,時間を空けておいてください.)
教室: オンライン
担当: 西阪 仰
E-mail: augnish(α)chiba-u.jp
この授業では、いわゆる「エスノメソドロジー」に方向づけられた相互行為分析の基本的な構えと考え方について考えてみたい。
エスノメソドロジー的相互行為分析は、わたしたちが日々出会う様々な事柄を、非常に強いいみでの「社会現象」として、厳密にかつ経験的にみる態度である。社会学は、たとえばどうして都市では農村より自殺率が高いのかを説明しようとしてきた。しかし、そのような説明をこころみる以前に、そもそもそこで説明されようとしている事実がどのようにして、そのような「事実」としてそこにあるのか、ということ自体、ひとつの「社会現象」として探求することができる。つまり、そもそも特定の死が「自殺」であるのはいかにしてかを探求できるはずだ。そもそも、ある特定の死に「自殺」という概念が当てはめられるのは、どのような手続きによってなのか。その死にその概念を当てはめることで、わたしたちは何をやっているのか。このような探求はすぐれて「社会学的」な探求である。
具体的には、「会話分析 Conversation Analysis」と呼ばれる技法を学ぶことを通して、人間は行為をどのように組み立てているのか、周囲のものごとをどう知覚し理解しているのか、などを1年間じっくり考えていきたい。
- H・サックス他『会話分析基本論集』(世界思想社)
- E・A・シェグロフ『会話分析の方法』(世界思想社)
- G・サーサス他『日常性の解剖学』 (マルジュ社)
- 西阪 仰『相互行為分析という視点』(金子書房)
- 西阪 仰『心と行為』(岩波書店)
- E・ゴッフマン『集まりの構造』(誠心書房)
- 西阪・串田・熊谷編「特集 相互行為における言語使用」『社会言語科学』10巻2号(2008年)
- (参考)西阪 仰『分散する身体』(勁草書房)
- (参考)G・サーサス『会話分析の手法』(マルジュ社)
- (参考)H・ガーフィンケル他 『エスノメソドロジー』 (せりか書房)
- (参考)好井・山田・西阪編『会話分析への招待』(世界思想社)
- (参考)J・クルター『心の社会的構成』(新曜社)
- (参考)串田 秀也『相互行為秩序と会話分析』(世界思想社)
- (参考)好井・串田編『エスノメソドロジーを学ぶ人のために』(世界思想社)
- (参考)串田・平本・林著『会話分析入門』(勁草書房)
- (参考)高木・細田・森田『会話分析の基礎』(ひつじ書房)
第1週
テーマ
テキスト
参考文献
- ゴッフマン『行為と演技』第三章(「さまざまな局域」)および第六章(「印象操作の技法」)
- 西阪仰『分散する身体』1章・2章
- Goffman, Neglected situation
- *Goffman, On footing. In Forms of Talk. U Penn Press, 1982.
- Goodwin, C., 1979. The interactive construction of a sentence in natural conversation. In Psathas (ed.), Everyday Language. 1979. pp. 97-121.
宿題 1(出題 第1週; 提出 第2週)
ゴッフマン『集まりの構造』(誠信書房)15〜50ページを読み,読書ノートを提出する.
第2週〜第3週
テーマ
テキスト
- 西阪 仰『相互行為分析という視点』第1章
- シェグロフ「開始連鎖」
- Jefferson, G., 1979. Invitation to laughter. In G. Psathas (ed.) Everyday Language: Studies in Ethnomethodology. Irvington.
- Schegloff, E. A., 1968. Sequencing in conversational openings. In J. J. Gumperz and D. Hymes, 1972. Directions in Sociolinguistics. New York: Holt, Rinehart and Winston, pp. 346-380.
第4週〜第8週
テーマ
テキスト
- サックス,シェグロフ,ジェファソン「会話のための順番交替の組織」『会話分析基本論集』
宿題 3-1(出題 第4週; 提出 第5週)
順番交替論文を読む: 質問リスト(1)への答えを提出
宿題 3-2(出題 第5週; 提出 第6週)
宿題 3-3(出題 第5週; 提出 第6週)
順番交替論文を読む: 質問リスト(2)への答えを提出
宿題 3-4(出題 第6週; 提出 第7週)
宿題 3-5(出題 第6週; 提出 第7週)
順番交替論文を読む: 質問リスト(3)への答えを提出
宿題 3-5(出題 第7週; 提出 第8週)
順番交替論文を読む: 質問リスト(4)への答えを提出
第9週〜第14週
テーマ
テキスト
- シェグロフ+サックス「会話はいかにして終了されるか」『日常性の解剖学』
- S・レビンソン『英語語用論』第6章(「会話の構造」)
- Schegloff, E. A. 1980. Preliminaries to preliminary. Sociological Inquiry.
- Schegloff, E. A. 2007. Sequence organization in interaction: A primer in Conversation Analysis, vol. 1. Cambridge University Press.
参考文献
宿題 4-1(出題 第9週; 提出 第10週)
隣接ペアを見分ける練習
宿題 4-2(出題 第9週; 提出 第10週)
先行連鎖を見分ける練習
宿題 4-3(出題 第9週; 提出 第10週)
挿入連鎖を見分ける練習
宿題 4-4(出題 第10週; 提出 第11週)
連鎖組織の分析練習
宿題 4-5(出題 第11週; 提出 第12週)
プレプレ論文を読む: 質問リスト1への答えを提出
宿題 4-6(出題 第12週; 提出 第13週)
プレプレ論文を読む: 質問リスト2への答えを提出
宿題 4-7(出題 第13週; 提出 第14週)
プレプレ論文を読む: 質問リスト3への答えを提出
- 遅刻・欠席厳禁.(遅刻・欠席は本人の不利益であるだけでなく,遅刻者・欠席者のために議論の重複の必要などが出来し,全体の進行の遅延につながることを,よくよく自覚してほしい.4回欠席した者には,単位は認めない.無断欠席・無断遅刻が2回あった場合,単位を認めない.)
- 成績評価は,平常点(出席・発言・毎週の課題)によりおこなう.
- この演習に関する問い合わせは,augnish(α)chiba-u.jpまで(なんなりとお気軽にどうぞ).