会話分析を学ぶための道具箱
ここでは、私が相互行為分析を行なうにあたり重宝している(というより、いまや不可欠となっている)道具をご紹介します。いずれもフリーです。
- ソフトウェア
- SndPlay
私の著書『心と行為』でもご紹介したトランスクリプション用のソフト。エディター/ワープロをアクティベートしたまま(つまりこの再生ソフトは他のソフトのウィンドウの背後に入っていても)キーの操作で再生・停止・戻し・送りができます。しかも、戻しを1000分の1秒単位で設定できます。私は、2秒に設定しています。waveでもmp3でも再生できます。(私の使っているマシン[不要なアプリケーションが一切ないシンプルなものです]では,windons7およびwindows10で動いています.)残念ながらマックでは使えません.
- VLC
ビデオデータ再生ソフト.最も汎用性が高いです.
- VeraCrypt
泣く子も黙るといわれていた(?)TrueCriptが(脆弱性の発見により)配布停止されてのち,ついに待望の後継の暗号化ソフトが登場しました.
- Lhaplus
lzhとzipファイルの解凍ソフトです。上の2つもlzh形式の圧縮ファイルになっているので、まずは、これをダウンロードしてください。また、プライバシーの露出度の高いトランスクリプトをやりとりするときは、必ず、パスワードつきの圧縮ファイルでやりとりしてください。とくに大量のトランスリブとをやりとりするとき,Lhaplusで,パスワードつきのzipファイルを作ることができます.
- 参考資料
- データベース
卒業研究では,基本的に自分で集めたデータを自分で書き起こし,分析するということが求められます.が,補足的なデータが必要な場合,以下のデータベースを使うことができるでしょう.
- Talk Bank
さまざまな言語の電話録音が利用可能です.次のディレクトリから,日本語の電話録音がダウンロードできます.以下のものは,いずれも会話分析のデータとして利用可能です.
Call Friend
Call Home
- 日本語話し言葉コーパス(有料)
国立国語研究所・情報通信研究機構・東京工業大学が共同開発したデータベースです.学生の使用料は25,000円です(研究者は,50000円なので,半額です).会話分析のデータとしては,限定的にしか使用できないかもしれません.
- 日本語日常会話コーパス(有料)
国立国語研究所が構築した相互行為の大規模データベースです.すべてを「日常会話」と呼んでよいかは,議論の余地がありますが,いずれも会話分析のためのデータとして使えるものです.ハードディスクでモニター公開中です(ハードディスクの実費負担が必要です).使用許可を得るための審査あり.
以上は、基本的な道具です。が、もちろんなによりも、あなた自身の分析技術を磨くことがもっとも重要です。この点をお忘れなきよう。